研究課題
前年度までの懸案事項であった、「C-N軸不斉を持つN-アリールオキシインドールの不斉合成」を研究課題の中心に据えて本年度は検討を行ってきた。その結果、不斉分子内N-アリール化反応が極めて良好な結果を与えることを見出した。すなわち、前年度までに合成法を確立していた下部芳香環に相当するアニリン誘導体から一段階で合成可能なヨウ化アミドを反応基質に設定し、各種不斉リン配位剤とPd(0)錯体を作用させて不斉N-アリール化反応を行った。その結果、SEGPHOS系配位剤を使用した際に72%収率、81% eeの光学純度で対応するN-アリールオキシインドールを得ることに成功した。本化合物から、より有用なビルディングブロックであるN-アリールイサチンへの変換を達成し、その途中で再結晶による光学純度の向上 (>99% ee) も行うことができた。さらに、得られた単結晶からBijvoet法を用いたX線構造解析によって、上記分子内N-アリール化反応で得られた生成物の軸性キラリティの立体配置をSと決定した。
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