肥満や耐糖能異常の発症過程において、消化管ホルモンGLP-1がどのように変動するかを調べるため、ラットに肥満誘導食(高脂肪・高ショ糖食)を5~8週間摂取させた。期間途中の食事負荷試験(普通食を負荷)により、肥満誘導食摂取群は食後GLP-1分泌が高まることが見出された。消化管の各種栄養素受容体の発現を調べたところ、脂肪酸受容体の発現上昇が観察され、このことが食後GLP-1分泌応答の増進に関与することが考えられた。GLP-1受容体アンタゴニストを用いた試験により、この食後GLP-1分泌上昇は、肥満誘導食による耐糖能の悪化に対して防御的な役割を持つことが示された。
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