マウスの妊娠期における糖質のみの制限(糖質制限)が、摂取量の制限によるすべてのエネルギー源の制限(総エネルギー制限)とは異なり、出生仔において高脂肪食負荷による糖・脂質代謝不全を増悪化しないメカニズムの検討を行った。その結果、糖質制限は肝臓における脂肪酸合成系遺伝子発現には影響を及ぼさず、また白色脂肪細胞の小型化を促進することでインスリン感受性を亢進している可能性が示唆された。 また、胎生期低栄養と出生後の精神疾患発症に関しても検討を行ったところ、総エネルギー制限群の仔マウスはストレス感受性が高く不安様行動を示すのに対して、糖質制限群の仔マウスではその傾向が緩和されていることが示された。
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