ソーマチンIIの分解能0.99Åの構造を決定し、甘味受容体との相互作用には側鎖の揺らぎが重要であるという新しい知見を得た。X線自由電子レーザーにより室温条件下で放射線損傷のない構造を決定した。酸性アミノ酸残基に点変異を導入することで甘味度を強化することに成功した。この知見を踏まえソーマチンと甘味受容体の相互作用予測が可能となり、ソーマチンの高甘味度化は受容体との接触領域を増加させた結果もたらされる可能性を示唆した。苦味抑制効果について苦味受容体を培養細胞に安定発現させた細胞アッセイ系を用い、官能検査に依らず、客観的にソーマチンの苦味抑制作用を確認し、その作用機作の一端を明らかにした。
|