食品に含まれる疑似ビタミンB12(B12)を精密に分析し,疑似B12の生体に及ぼす影響を検討した.B12の主要な供給源である魚介類や乳製品などに含まれる疑似B12を液体クロマトグラム質量分析機を用いて精密に分析した.ほとんどの食品には真のB12が主要なコリノイドであったが、食用藍藻や一部の巻貝は疑似B12の一種であるシュードB12が含まれていた.食品に含まれるシュードB12は,ヒトでB12の腸管吸収に関与する内因子との結合能が低いために腸管吸収され難く,体内に吸収された場合でも細胞内のB12依存性酵素に対して阻害作用を示さないことが明らかとなり,生体に悪影響を及ぼさないことが示唆された.
|