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2013 年度 実施状況報告書

植物性食品および生薬中の抗腫瘍物質としての高分子ポリフェノール研究の展開

研究課題

研究課題/領域番号 25450170
研究種目

基盤研究(C)

研究機関岡山大学

研究代表者

波多野 力  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50127578)

研究分担者 竹内 靖雄  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00163387)
坂上 宏  明海大学, 歯学部, 教授 (50138484)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードポリフェノール / タンニン / 組織培養 / 人工タンニン / 抗腫瘍作用
研究概要

高分子量のタンニンを中心にポリフェノールの抗腫瘍作用物質としての展開が期待できることを見出してきたことから、本研究では、天然高分子ポリフェノールについて機能性食品や生薬として使用される植物を中心にさらなる探索とそれらの組織培養による生産条件の最適化を進めるとともに、化学的に合成したタンニン・ミミック(人工タンニン)および関連構造の化合物の合成的検討をも進め、抗腫瘍作用物質としての高分子ポリフェノール化学の新たな展開を拓くこととしている。
まず、機能性食品・生薬として使用される種々の植物の成分の検討の過程で、Tamarix属などギョリュウ科植物とともに、フトモモ科に属するフェイジョアFeijoa sellowianaが多量の高分子ポリフェノールを含有することを見出した。フェイジョアは南米原産の常緑低木で、果実が食用とされ、ニュージーランドやロシアなどで栽培される。本来は熱帯性植物であるが、寒冷や乾燥にも強く、本邦でも栽培可能であり、資源植物としての開発が期待できる。そこで本植物の葉、果実など各部位の成分について検討を進め、加水分解性タンニン、エラグ酸関連物質、フラボノイドなどを単離同定した。さらにPAOF-1と仮称するプロアントシアニジンオリゴマーを得てこれについて構造の検討を進めるとともに、本物質は口腔がん由来の培養細胞に顕著な細胞毒性を示すことを見出した。
また、高分子タンニンを含有する数種の植物について組織培養の手法の適用について検討を進め、ハマナスRosa rugosa var. plenaおよびキンミズヒキAgrimonia pilosaについては、安定したカルスとしての培養系を確立した。
さらに、オリゴ糖を母核とする人工タンニンの簡便な合成手法を確立することができたので、これらについて今後、培養細胞への細胞毒性の検討を進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

天然から高分子ポリフェノールを得て、その化学構造を解明し、その抗腫瘍作用を見出した。また、高分子ポリフェノールを生産する植物について組織培養系の確立を実現した。さらに、人工タンニン関連物質についてもその安定的な合成手法の確立を実現できた。これらは、本研究の目的が順調に達成されていることを示すものである。

今後の研究の推進方策

これまでの検討によって、さらに生薬として使用される植物から高分子ポリフェノールが得られることを認めているので、その化学構造および抗腫瘍作用について検討を進める。本研究の過程で、抗腫瘍作用ばかりでなく、高分子ポリフェノールに薬剤耐性菌に対する作用をも認めているので併せて検討を進め、機能性食品・生薬として利用される植物の植物資源としての開発の意義を明確化できることを展望している。

次年度の研究費の使用計画

分担研究者において、予定金額と実際の納入金額との間に差異が生じたため。
分担研究者において次年度の消耗品支出に充てる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] フェイジョアFeijoa sellowiana Bergの成分研究 第3報 緑膿菌に対する作用物質2014

    • 著者名/発表者名
      青山弘枝、黒田照夫、波多野 力
    • 学会等名
      日本薬学会第134年会
    • 発表場所
      熊本大学(熊本県熊本市)
    • 年月日
      20140327-20140330
  • [学会発表] Feijoa sellowiana の成分研究(第 2 報)2013

    • 著者名/発表者名
      青山弘枝、黒田照夫、波多野 力
    • 学会等名
      日本生薬学会第60回年会
    • 発表場所
      北海道医療大学(北海道当別町)
    • 年月日
      20130907-20130908

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公開日: 2015-05-28  

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