男性ホルモン減少は、肥満や代謝異常のリスクを増加させる一因となる。本研究では、去勢マウスを用いて男性ホルモン低下に起因した肥満発症モデルの構築を行った。その結果、去勢マウスでは、高脂肪食依存的に肥満を発症し、摂食量あたりの体重増加量の上昇、食餌あたりの乾燥糞重量の減少が観察された。さらに、高脂肪食摂取マウスは去勢により、糞中の腸内細菌叢の変化(Firmicutes/Bacteroidetes比の上昇とLactobacillus属細菌の増加)が見られた。一方、抗生物質摂取時には、去勢による肥満が誘導されなかった。本研究により、男性ホルモン低下に起因する肥満の発症に腸内細菌の関与が示唆された。
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