研究課題/領域番号 |
25450178
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研究機関 | 日本薬科大学 |
研究代表者 |
安西 和紀 日本薬科大学, 薬学部, 教授 (70128643)
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研究分担者 |
窪田 洋子 日本薬科大学, 薬学部, 准教授 (60271417)
土田 和徳 日本薬科大学, 薬学部, 講師 (50406633)
高城 徳子 日本薬科大学, 薬学部, 講師 (80424068)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 脂質過酸化 / 溶血 / スピントラップ法 / ORAC法 / 抗酸化活性 / TBA法 / シス-パリナリン酸 |
研究実績の概要 |
1.脂質過酸化の評価法として、赤血球の溶血を使う方法について検討した。具体的には、赤血球懸濁液にラジカル発生剤としてAAPH(2,2'-Azobis(2-amidinopropane) dihydrochloride)を加え、経時的に溶血を観測することにより脂質過酸化の進行を評価した。従来は、ヘモグロビン(Hb)の吸収ピークの540 nmあるいは570 nmの吸収で溶血を評価していたが、AAPHとHbが反応して吸収波長がシフトすることを見いだし、正確な定量には523 nmの吸収を使う必要があることがわかった。この方法を用いて、水溶性抗酸化剤や脂溶性抗酸化剤の効果を評価出来るようになった。 2.脂質過酸化における鉄イオンの役割を検討するために、リポソームを用いて、1)リポソーム膜中に組み入れたシス-パリナリン酸の蛍光強度の変化、および2)脂質過酸化生成物のチオバルビツール酸反応(TBA反応)による定量、の両面から脂質過酸化反応を評価した。その結果、鉄-過酸化水素、鉄-アスコルビン酸、および鉄-ADPの系で、1)と2)がそれぞれ異なり、3つの系で鉄イオンが果たす役割が異なることを示唆する結果を得た。この結果については、今後さらに詳細な検討必要である。 3.スピントラップ法およびORAC法を用いて、アントシアニン含量が高い紫娟茶と普通の緑茶について抗酸化能を比較した。スピントラップ法によるヒドロキシルラジカル消去活性およびスーパーオキシド消去活性の測定においては両茶に有意な違いは見いだされなかった。一方、ORAC法では紫娟茶の方が緑茶に比べて約2倍の抗酸化活性を示した。この結果は、各種成分の混合物であるお茶では、ラジカルの種類によって消去活性が異なり、抗酸化活性評価においては注意を要することを示している。
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