研究課題/領域番号 |
25450182
|
研究機関 | 日本獣医生命科学大学 |
研究代表者 |
小林 史幸 日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 助教 (50460001)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 細胞内pH / 酵母 / 低加圧二酸化炭素マイクロ・ナノバブル / 細胞膜損傷 |
研究実績の概要 |
低加圧二酸化炭素マイクロ・ナノバブル(MNBCO2)処理のSaccharomyces pastorianusに対する殺菌効果に及ぼす細胞内pHおよび細胞膜流動性の変化に与える混合槽の圧力の影響:混合槽の圧力0および0.5 MPaでは、40℃の加温コイルにおいて生存S. pastorianus数の減少はほとんどなく、propidium iodide (PI)吸収量は処理前の約1.2倍程度増加し、細胞内pHは加温コイル内の滞留時間1分で5.8から4.9まで低下し、5分後までほとんど変わらなかった。しかしながら、混合槽の圧力1 MPaでは、40℃の加温コイルにおいて生存S. pastorianus数は加温コイル内の滞留時間5分後に約4 log減少し、PI吸収量は処理前の約2.3倍増加し、細胞内pHは滞留時間に伴い直線的に低下し、5分後に3.7となった。MNBCO2処理したS. pastorianusの貯蔵性:35、40、45および50℃の加温コイルを使用したMNBCO2により殺菌処理したS. pastorianus溶液(MNB35、MNB40、MNB45およびMNB50)の貯蔵試験を行った。MNBCO2処理により、MNB40、MNB45およびMNB50ならびに80℃で加熱処理したS. pastorianus溶液(H80)の生菌数は検出不可となり、MNB35の生菌数は2 log減少した。5℃での貯蔵中、MNB35の生菌数は貯蔵1週目に約2 log減少し、MNB40、MNB45、MNB50およびH80の生菌数は貯蔵期間中、検出不可能のままであった。一方、25℃での貯蔵中、MNB35およびMNB40の生菌数は貯蔵3週目までに処理前と同じ程度まで上昇したが、MNB45、MNB50およびH80の生菌数は5℃での貯蔵と同様に検出不可能のままであった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた研究はほぼ研究計画どおりに進み、おおよそ想定された結果が得られた。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでの研究から、MNBCO2処理によるS. pastorianusの細胞内pHの低下およびPI吸収量の増加を確認したが、これらが殺菌効果にどのように影響しているかはまだわからない。よって、予定通り、MNBCO2処理のS. pastorianusに対する殺菌効果に及ぼす細胞内pHおよびPI吸収量の変化における細胞懸濁液の種類の影響を検討し、さらに細胞膜への影響をより詳細に調べる予定である。
|