研究課題
様々なタグを有する組換えヒトβｰグルカン受容体をカイコｰバキュロウイルス発現系により発現させ、アフィニティー精製を行った。これらの組換えタンパク質を用いて、βｰグルカン結合特異性を解析するためのインビトロ結合アッセイ系を確立し、食品中の免疫賦活糖鎖のスクリーニングへの応用を試みた。N末端側にヒスチジンタグを有する組換えヒトβｰグルカン受容体は厳密なβｰグルカン結合特異性を有し、ヒトβｰグルカン受容体の細胞外領域に存在する首領域およびオリゴ糖鎖は結合活性および結合特異性に影響を与えないことが明らかとなった。また、タグの種類や位置はヒトβｰグルカン受容体の結合活性や結合特異性にあまり影響を与えないことも明らかとなった。これらの組換えヒトβｰグルカン受容体を用いたインビトロ結合アッセイ系は免疫賦活剤や機能性食品の開発に応用できる可能性があることが示唆された。最終年度において、ヒトβｰグルカン受容体のGFP融合タンパク質の発現・アフィニティー精製・機能解析を行った。この組換えタンパク質はN末端側にGFPタグを有し、ヒトβｰグルカン受容体の細胞外領域に存在する首領域およびC型レクチン様ドメインから成っている。このGFPｰヒトβｰグルカン受容体は可溶性タンパク質として発現・精製され、他のタグを持つ組換えヒトβｰグルカン受容体と同様に厳密なβｰグルカン結合特異性を示した。このGFP融合タンパク質を用いたインビトロ結合アッセイ系では蛍光を測定するだけで結合活性を評価できるため、簡便・迅速・安価・高感度で定量性に優れたβ-グルカン結合特異性の解析法および免疫賦活糖鎖のスクリーニング法を開発したことになる。
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