研究課題/領域番号 |
25450212
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
大田 伊久雄 愛媛大学, 農学部, 教授 (00252495)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ポーランド / 国有林企業LP |
研究概要 |
2013年10月に約2週間の日程でポーランドでの現地調査を行った。ワルシャワ農科大学では、ポーランド国内における近年の森林政策学・林業経済学関連の研究成果について情報収集を行った。また、林業・木材産業の動向としては、森林施業における機械化の進展がめざましく林業関連企業の労働形態にも変化がみられることがわかった。さらに、木質ボード産業をはじめとする木材産業では工場の大型化が進展しており、木材製品の国内需要の増加と共に輸出の増加傾向が見られることがわかった。 ワルシャワ森林研究所および国有林を管理する国営企業LPでは、国有林関連の法律の改正、17ある地方局の森林経営実績や木材生産の動向等について聞き取り調査と文献の収集を行った。LPによる国有林の経営はかなり安定した実績を示しており、国内の森林面積の8割を保有する企業体としての成績は評価できる。さらに、子供達や一般社会に向けた森林教育の提供やレクリエーション活動にも力を入れており、地域ごとに特色を出した国有林経営を目指した各種の取り組みも行われている。 その反面、私有林における森林の適正な管理や木材生産は脆弱で、小規模な森林所有者を束ねる森林組合のような組織も未発達である。現在までのところ、森林の不適切な利用で荒廃が進むというような近隣諸国にみられる状況はポーランドでは大きく問題化してはいないが、計画的で適正な森林管理が広く行われているという状況ではないことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は学内業務(森林資源学コース長ならびに大学院森林環境管理特別コース長)が思いのほか多忙で、現地調査に計画通りの日程をとることができなかった。それゆえ、ポーランドの現地調査は2年目もしくは3年目に補足調査という形で執り行う必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
この研究ではウクライナを対象国の一つとしているが、昨今の政治情勢を考えるとウクライナでの調査は困難であり、対象国を変更する強い必要性が生じた。現在、比較研究の対象とすべき新たな国の選出を検討している段階である。 初年度のポーランドでの調査が十分に行えなかった点も含めて、次年度には複数国を訪問して調査の進展をはかるつもりである。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は現地調査が十分に行えなかったので、その分の予算を次年度に繰り越して使用することとした。 繰り越しをした金額は旅費として使用する予定である。
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