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2015 年度 実施状況報告書

沖縄県北部酸性耕作放棄地におけるメラルーカ属樹種を利用した産業植林の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 25450218
研究機関琉球大学

研究代表者

諏訪 竜一  琉球大学, 農学部, 准教授 (30560536)

研究分担者 谷口 真吾  琉球大学, 農学部, 教授 (80444909)
高嶋 敦史  琉球大学, 農学部, 助教 (40433099)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードメラルーカ / 木質材料 / 幹直径 / 降雪
研究実績の概要

平成27年度においては、沖縄県北部地域に植栽を行ったメラルーカ属樹種を木質材料として利用することを念頭に置き、材質調査の予備的調査として、植栽地におけるMelaleuca alterniforia、M. cajuptiおよびM. leucadendraの樹高、枝張、幹直径の測定を行った。
M.alterniforiaにおいては、樹高、枝張、幹直径の平均はそれぞれ4.44 cm、103 cm、265 cm, M. cajuptiにいては4.27 cm, 100 cm, 196 cm, M. leucadendraにおいては4.94 cm, 114 cm, 242 cm に達した。平成27年度においては、沖縄県本島地域で1977年以降の約39年ぶり観測史上2回目の降雪が観察された。この状況においても低温による樹木の枯死は観察されず、また、落葉も生じていないことから、本年のような亜熱帯地域における偶発的な低温環境に遭遇した場合においても生育が可能であることが示された。
また、前年度の研究成果では、試験地において栽培している樹種から、精油生産を行うための品質に優れているテルピネン4-オールタイプを見出したことから、このケモタイプを有するM. alterniforiaの産業化のための地域への普及について、自治体、企業および生産団体などから依頼があったため、これらの苗を生産し、それぞれ計4団体と共同で産業用の精油採取用精油としての栽培を開始した。
今年度においては、木材としての品質として、強度検定などの測定を行うために必要な幹直径に達していなかったため、これについては今年度の末の3年木において調査を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前年度までの成果から、自治体、企業、生産団体などからの要望があり、テルピネンー4-オールタイプのケモタイプを有するM.alterniforia種の産業用の栽培化が実施された。このため、短期的目的である精油としての利用においては産業化の見通しが立ったため。また、本年度は記録的な寒波により、33年ぶりの降雪が生じた。このじょうきょうにおいても植栽地域においては被害が生じることはなく、沖縄県における栽培では低温遭遇による枯死などの懸念要因としての問題がないことが示された。また、長期目標である木材としての品質は、各樹種とも、平均樹径は5 cm近くに達していたことから、最終年度においては木質材質としての調査を行うことが可能であると考えられるため。

今後の研究の推進方策

最終年度の平成28年度においては、植栽地におけるメラルーカ三年木の木質材料としての強度などを主体とした材質調査を行う。また、引き続き精油作物として、葉から採取されるティーツリーオイルの三年木における品質評価を行い、木質材料を生産した場合の長期利用型の作付においても副産物利用として可能か評価を行う。

次年度使用額が生じた理由

本年度においては木質材質としての調査を樹木の生長程度から判断し、平成28年度予算で執行することとしたため。

次年度使用額の使用計画

年度末において主に木質材料の測定費用として充てる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 沖縄県における薬用植物について2015

    • 著者名/発表者名
      諏訪竜一
    • 学会等名
      薬用植物講演会
    • 発表場所
      内閣府沖縄県総合事務局
    • 年月日
      2015-10-27
    • 招待講演
  • [学会発表] 北部酸性土壌におけるメラルーカ(Melaleuca alternifolia)の栽培と精油品質に関する研究2015

    • 著者名/発表者名
      諏訪竜一・佐々木章伍・谷口真吾・高嶋敦史
    • 学会等名
      沖縄農業研究会
    • 発表場所
      琉球大学
    • 年月日
      2015-08-07

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公開日: 2017-01-06  

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