安全性の高い界面活性剤(ソルビタントリオレート:STO)を雄花の形成後に葉面散布処理することにより、雄花を選択的に褐変枯死させる技術を開発した。透過型電子顕微鏡による観察の結果、STOは雄花におけるネクローシス型プログラム細胞死を引き起こすことにより、花粉形成を阻害することが明らかとなった。STO処理により、スギの雄花が枯死するため、スギの成長が促進されるとともに、球果の形成も抑制できることが明らかとなった。これらの成果は、スギの材としての価値を損なうことなく花粉の飛散量を抑制できるため、実用的なスギ花粉症の軽減技術に結びつくことが期待できる。
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