| 研究課題/領域番号 |
25450220
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 研究機関 | 早稲田大学 |
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研究代表者 |
東出 大志 早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (60634871)
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| 研究分担者 |
深澤 圭太 独立行政法人国立環境研究所, その他部局等, 研究員 (90617101)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| キーワード | ツキノワグマ / カメラトラップ / 個体識別 / 個体群 / 時空間パターン / 行動意思決定モデル / 堅果類豊凶 / 保護管理 |
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| 研究概要 |
近年、ツキノワグマが数年おきに人里へ大量出没し、人身被害や農林業被害を介した人間との軋轢が深刻な問題となっている。その対策として有害鳥獣駆除による管理が実施されているが、個体数が少なく、増加率の低いクマ個体群への影響も懸念されていることから、その評価が求められる。クマ個体群の存続可能性を評価するためには、動く個体・動かない個体が個体群中にどの程度の割合で存在し、その可塑性にとって資源状態・性・齢がどの程度寄与しているかを把握することが非常に重要となる。そこで本研究では、カメラトラップを用いた個体識別調査による個体レベルの情報や、有害駆除個体、餌資源量などの情報を基に、クマ個体群の時空間パターン変化の駆動因である個体の行動意思決定を統計モデルによって推定し、その結果に基づくシミュレーションから、現状の管理が個体群の存続可能性に与える影響を評価することを主な目的とする。
本年度は富山県東部に設定した約1000㎞2の調査地において、カメラトラップを用いたツキノワグマの個体識別調査を実施した。68地点にカメラトラップを設置し、6月から10月の5ヵ月間（一部地点では7月からの4ヵ月間）にわたって撮影データを収集した。撮影された動画の総数は8581本であり、ツキノワグマは330本の動画で確認された。個体識別に際して重要となる胸部斑紋の撮影は、179本（54％）において成功しており、これらの動画から現時点で40個体のツキノワグマが識別されている。本年は調査地全域でブナ・ミズナラが豊作であり、クマの人里付近の利用は秋季に少ない傾向であった。
来年度以降は本年と同様の現地調査を実施するとともに、蓄積されたデータからツキノワグマの利用環境の季節性や年次変動、繁殖率などの生活史パラメータ、行動意思決定の状況依存性などの解析を順次実施する予定である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査地点の許認可の都合で調査地点数が減少した結果、予想よりも同一個体の移動データが得られていないため。来年度以降は新たな調査地点の追加申請をしており、すでに許認可を得ている地点もあること、また今後複数年のデータを蓄積していくことで、十分なデータが得られるものと考えている。
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| 今後の研究の推進方策 |
来年度以降も本年と同様の現地調査を実施するとともに、調査地点を追加することでさらなるデータの蓄積を図る。また蓄積されたデータからツキノワグマの利用環境の季節性や年次変動、繁殖率などの生活史パラメータ、行動意思決定の状況依存性などの解析を順次実施する予定である。
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| 次年度の研究費の使用計画 |
当初予定よりも調査地点数が減少した結果、調査日数が短縮され、消耗品使用量も減少したため。
来年度以降はデータ解析にも多くの時間を割くため、現地調査に際して研究補助者を雇用する予定である。また調査地点数を増やすため、現地調査の旅費、及び調査に際して必要となる消耗品に充てる予定である。
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