植物の葉の受動的な動きが植食者からの防御になっているという仮説を検証した。 (1)野外でポプラの葉を固定して葉を動きにくくする実験を行った。葉の食害は変わらなかったが、固定した葉でややアブラムシの数が多くなる傾向があった。(2)葉が動きやすいポプラと葉が動きにくいヤナギの葉上に幼虫を置き、扇風機で風を当て落下傾向を調査した。ポプラの方がヤナギより幼虫が高頻度で落下した。(3)野外で同所的に生育する葉が動きやすいヤマナラシと葉が動きにくいヤナギで、昆虫による食害レベルを比べると、ヤマナラシで食害レベルが低かった。 風による葉の動きは植食性昆虫による食害や昆虫の行動に影響を与えることが示された。
|