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2015 年度 実績報告書

樹木抽出成分を指標とする長期的変化としての心材形成機構への新規アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 25450240
研究機関名古屋大学

研究代表者

今井 貴規  名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (20252281)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード心材 / ノルリグナン / 重合 / 心材形成 / スギ
研究実績の概要

一般に心材成分量は樹幹等放射方向において、心材外方から髄に向かって減少する傾向がある。スギ心材ノルリグナンもこの傾向を示し、減少の一因として我々は、ノルリグナンの二次変化(重合)を想定している。本研究では、スギ心材におけるノルリグナンオリゴマーの質的・量的な挙動を調査し、スギ心材形成におけるノルリグナンの二次変化、特に重合について検討した。
スギ赤心材、黒心材の心材から酢酸エチル可溶部を調製した。これらについてGPC-HPLC分析を行った。その結果、赤心材と比較して、黒心材にはより高分子化合物が含まれていることが分かった。また樹幹放射方向で比較すると、特に黒心材の場合、心材内方ほど高分子化合物の割合が増加する傾向にあった。
次に、酢酸エチル可溶部についてLH-20カラムクロマトグラフィを行い、50、55、60、100%メタノール溶出画分に分画した。各画分のGPC-HPLC分析の結果、50%溶出部にはノルリグナンモノマー、55%にはモノマー~二量体、60%には二~三量体、100%には六~十一量体に相当する分子量の化合物が主に検出され、したがって分子量に基づいて分画されていることが分かった。。
上述の55、60%メタノール溶出画分についてLCMS分析を行った。その結果、数種類のノルリグナン二量体および三量体が検出された。これらの存在量を樹幹放射方向で比較すると、赤心材の場合、心材外方から中央部さらに内方に向かい増加する傾向にあった。一方、黒心材の場合、ニ・三量体量は心材外方から中央部に向かい増加し、次いで内方に向かい減少する傾向にあった。したがって、赤心材では樹木の成長に伴いノルリグナン重合が進行すること、一方黒心材では二・三量体がさらに重合等し、変化している可能性があること示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] スギ心材におけるノルリグナンオリゴマーの質的・量的挙動の調査2016

    • 著者名/発表者名
      清水友梨、井城泰一、今井貴規
    • 学会等名
      第66回日本木材学会大会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2016-03-28 – 2016-03-28
  • [学会発表] 樹木・木材リアルタイム直接(Direct Analysis in Real Time)質量分析(DART-MS)スペクトルの集積2016

    • 著者名/発表者名
      今井貴規、八木貴大
    • 学会等名
      第66回日本木材学会大会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2016-03-27 – 2016-03-27

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公開日: 2017-01-06  

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