一般に心材成分量は樹幹等放射方向において、心材外方から髄に向かって減少する傾向がある。スギ心材成分のノルリグナンに係る本減少の一因として、その二次変化(重合)を検討した。 ノルリグナン標品を試験管内酵素重合し、5種類の二量体を単離構造決定した。その構造をスギ心材抽出物高分子画分(天然ノルリグナン重合物)の部分構造として提出した。またスギ心材から数種類のノルリグナン二・三量体を単離構造決定した。さらにニ・三量体量は心材外方から中央部/内方部に向かい増加する傾向にあった。以上、心材形成機構に係る「心材中心部に向かう抽出物の減少」について、長期に渡る二次変化を一因として提案した。
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