研究課題/領域番号 |
25450242
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松村 順司 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70243946)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | weathering / LVSEM / wood structure / visualization / microcrack / bordered pit |
研究概要 |
木材をエクステリア材として利用する際に生じる劣化の挙動をアーティファクトの影響なく,細胞レベルで経時的に可視化する方法として,試料をコーティングすることなく観察可能な低真空走査電子顕微鏡(LVSEM)法を採用し,最適観察条件を確立し,以下の成果が得られた。 ①屋外暴露1週間後,2週間後,4週間後における木材の劣化挙動を同一視野・細胞レベルで可視化し,スギにおける初期劣化の解剖学的な変化と肉眼レベルの変化との関係が明らかになった。 ②耐候化処理剤としての重合性イオン液体の可能性に着目し,促進耐候性試験とLVSEM法を組み合わせ,同一視野での初期劣化の経時変化を検討した結果,重合性イオン液体は劣化を抑制する可能性が示唆された。また濃度によって抑制効果に差があることも確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画の通り,屋外暴露試験を開始し,LVSEM法による観察条件を確立し,短期間暴露された試験片を対象に,木材の初期劣化を同一視野・細胞レベルで経時的に可視化することに成功した。その成果は「屋外暴露下における木材細胞劣化挙動の可視化」,「耐候処理を施した木材表面の劣化挙動の可視化」のタイトルで学会発表された。また,促進耐候性試験とLVSEM法を組み合わせ,イオン液体処理木材の耐候性能について有用な知見が得られ,その成果を「イオン液体処理した木材の耐候性能(1)イオン液体濃度と初期劣化との関係」のタイトルで学会発表した。 以上の通り,本課題はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
屋外暴露試験に関しては引き続き進め,長期間に渡る木材劣化の一部始終を分析する予定である。 促進耐候性試験に関しても,引き続き重合性イオン液体の効果について検討し,既存の耐候化処理木材との比較・検討を行う予定である。
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