セルロースを水酸化ナトリウム水溶液に溶解させ、これにイオン交換樹脂を添加、または電圧を印加したところ、いずれにおいても配向ゲルが得られた。これらのゲルの偏光顕微鏡観察により、セルロース分子鎖がイオン交換樹脂面、またはイオン交換膜面に平行に配向することが示された。小角X線散乱測定では、得られたゲルのネットワーク構造を検討した。サンプル中の相分離の相関長は、配向したエレメントに特徴的な長さとみなせ、8~11 nmのオーダーであった。また、配向ゲルには凝集が存在し、そのスケールは20~30 nmであることが示された。以上より、配向ゲルは棒状のエレメントが並んだドメインを有することが示唆された。
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