研究課題/領域番号 |
25450249
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研究機関 | 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 |
研究代表者 |
古俣 寛隆 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 森林研究本部 林産試験場, 研究主任 (00446303)
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研究分担者 |
石河 周平 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 森林研究本部 林産試験場, 研究主幹 (10462318)
石川 佳生 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 森林研究本部 林産試験場, 主査 (80446286)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | FIT / 再生可能エネルギー / 未利用木材 / LCA / 環境影響評価 |
研究実績の概要 |
本研究では、再生可能エネルギーの固定価格買取制度による環境と地域経済に対する影響を評価することを目的に、木質バイオマス発電の環境影響をライフサイクルアセスメントによって明らかにし、シミュレーションにより製材等原料の競合の影響度を解析する。 本年度行った調査・分析の概要は以下の通りである。(1)原料の供給量から発電効率や原料の購入単価および各種採算性などを推計する発電シミュレーターを構築した。これを用いて木質バイオマス発電事業における原料の購入単価、内部利益率などを分析した。一定の内部利益率を確保した上で、発電所の規模および原料構成によっては、原料買取単価は製材原料や製紙原料の市況単価を上回る可能性が示唆された。(2)ヴァーチャル製材工場経営シミュレーターを開発し、原料競合による原木購入価格ならびに背板チップ販売価格の上昇が利益に与える影響を推計した。中規模のトドマツ工場を想定し分析を行ったところ、木材単価 (素材購入費、背板チップ販売費) 10%の上昇により製材工場の経営は困難となることが分かった。(3)発電シミュレーターを用いて木材消費量10万m3規模の木質バイオマス発電の発電効率を推定し、製造される電力のライフサイクル環境影響評価を実施した。木質バイオマス発電による電力は、商業電力よりも外部コストが5割程低く、環境に優しいことが分かった。燃焼灰・燃え殻を埋め立てから路盤材や肥料等へリサイクルを図ることにより環境負荷を効率的に削減できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに進捗しているため。
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今後の研究の推進方策 |
ヴァーチャル製材工場経営シミュレーターと発電シミュレーターの精度向上を図る。工場規模、利用径級分布、生産品目、購入・販売単価、ライン稼働時間、自社工場への発電設備の導入の有無など複数の評価シナリオを設定して影響度を解析し、製材業の収益性向上に資する方策を見出す。発電シミュレーターを用いて発電および熱電併給により製造されたエネルギーの環境影響評価を実施し、化石燃料を原料とするエネルギー製造システムと比較した場合の環境への優しさを定量的に明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
分担者の1名の体調不良による旅費の執行残のため。
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次年度使用額の使用計画 |
残額分は次年度の学会参加料、論文投稿料として使用する。
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