実験室内において9種類の微細藻類(渦鞭毛藻4種、クリプト藻1種、ハプト藻1種、ラフィド藻1種、プラシノ藻1種、珪藻1種)を沿岸性カイアシ類にそれぞれ単独で与えた時のカイアシ類の摂食活性と再生産規模について調べ、さらに各微細藻の脂肪酸組成を測定し、カイアシ類の各脂肪酸摂取量を求めた。その結果、n-3系高度不飽和脂肪酸、特に22:6(n-3)脂肪酸の摂取量が多いほどカイアシ類の産卵数が多くなることが明らかとなった。また、現場におけるカイアシ類の微細プランクトンに対する摂食活性と産卵数との関係について調べたところ、渦鞭毛藻および少毛類繊毛虫に対する摂食速度と産卵数との間に有意な正の相関が認められた。
|