研究実績の概要 |
本申請課題では、分離培養が困難な微生物の一つである海洋のメタン酸化細菌ならびに関連微生物に注目し、海底堆積物由来のメタン酸化細菌を含む3種類の微生物混合株について、培養やゲノム解析を実施し、それらの共生関係を解明することを目的としている。これまでに培養からのアプローチでは、各微生物の分離培養に成功し、それぞれメタノール資化細菌のMehtyloceanibater caenitepidi gen. nov., メタン酸化細菌のMethylocaldum marinum sp. nov., 従属栄養細菌のTepidicauis marinus gen. nov. sp. nov. として新属新種あるいは新種として発表した(Takeuchi et al., 2014a, b, 2015)。ゲノム解析からのアプローチでは、PacBio等により各微生物について、ドラフトゲノムあるいは完全ゲノムが得られた。3者の中で、メタン酸化細菌とメタノール資化細菌との関係が重要と考えられたため、これらについて、28年度はトランスクリプトーム解析を実施し、発現遺伝子比較を行う計画であった。メタン酸化細菌とメタノール資化細菌を培養し、培養株からRNAを抽出し、得られたcDNAについてHiSeq 2500で解析を行った。各サンプルについて22-30 million リードの配列が得られた。28年度は出向業務が多忙のため十分な解析ができなかったことから、次年度の解析を予定している。
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