コンブ類の傷害抵抗性を誘導する条件を探索し、その機構解明を試みた。その結果、マコンブ幼胞子体への赤色光照射により、他の光(青色光、緑色光及び白色光)では認められない体の硬化を導くことが明らかになった。そこでリグニン様物質を測定したところ、赤色光下の幼胞子体は他の光条件のものに比べ高い含有量を示していた。また、赤色光照射による活性酸素発生の誘導や、表皮細胞の細胞壁に高いペルオキシダーゼ活性とリグニン様物質の分布が観察された。以上のことから、赤色光照射は、ペルオキシダーゼと活性酸素によって触媒されるリグニン様物質の合成を促し、葉状部の硬化を導き、物理的な抵抗力を付加する可能性を示唆した。
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