研究課題/領域番号 |
25450269
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高津 哲也 北海道大学, 水産科学研究科(研究院), 教授 (50241378)
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研究分担者 |
星 直樹 北海道大学, 水産学部, 助教 (50604485)
中屋 光裕 北海道大学, 水産学部, 特任助教 (80604313)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | アカガレイ / 仔魚 / 稚魚 / 着底 / 輸送 |
研究概要 |
アカガレイの資源量変動予測を,簡便な海洋観測と餌生物採集のみで実現するために,アカガレイ仔稚魚の輸送・着底過程を検証した。アカガレイの産卵場は湾内に形成され,浮遊仔魚は80cm口径のプランクトンネットで1~3月に湾内で採集されるが,4月以降はほとんど採集されなくなる。このため本研究では大型採集具を用いて5~7月に大型浮遊仔稚魚の,8~11月に着底稚魚の採集を試みた。5月には標準体長10.7~16.5mmの眼球移動中の浮遊仔魚が湾内で5個体,湾外で3個体採集され,湾外への流出個体の存在が初めて確認された。6月には仔稚魚は採集されず,7月と10月は荒天のため調査は中止された。8月の湾内98m以浅と11月の湾外水深95~354mでの着底トロール採集では,着底稚魚は1個体も採集されなかった。6月以降に着底期の個体が採集されなかったことから,着底期の減耗は加入の成否を左右する時期の一つと推定された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,従来採集されていない浮遊期末期の仔魚を5月に採集することに成功し,湾外にも生息することが確認できた。また同様な採集方法で6月には採集されなかったことから,着底の前後に減耗が大きいことを推定できた。一方で,8月以降着底個体が全く採集されなかったことから,着底場所の特定には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
着底個体の採集に調査努力量をさらに投入し,着底場所の特定を推進する。また,推定された着底場所への輸送過程をモデル計算によって再現することを試みる。さらにモデル計算に必要となる卵仔稚魚の比重測定なども実施する。仔稚魚が採集された場合,耳石日周輪を用いて,浮遊期間の推定を試みる。
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