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2015 年度 実績報告書

人工光影響下におけるツツイカ目イカ類の摂餌集群説の検証

研究課題

研究課題/領域番号 25450277
研究機関長崎大学

研究代表者

松下 吉樹  長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 教授 (30372072)

研究分担者 菅 向志郎  長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 准教授 (60569185)
清水 健一  長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 准教授 (20533946)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード光 / イカ類 / 蝟集 / 餌生物 / 胃内容物 / DNA
研究実績の概要

2015年8月に長崎県壱岐西部海域(水深約 90m)において,長崎大学練習船鶴洋丸に装備したLED 集魚灯(出力600W)を点灯して,定期的にNORPAC ネットで動物プランクトンを採集した。また同時に,イカ角を使った一本釣りでイカ(主にケンサキイカ)を採集し,解剖して胃内容物が認められた場合には,胃袋をEDTA 溶液に浸漬して冷凍保存した。2015年9月には比較のため,以西底曳網漁業においてもケンサキイカの胃内容物を採集した。採集したケンサキイカの胃内容物は実体顕微鏡を用いた目視観察で生物特定を試みた。そして観察で特定不能であった胃内容物はDNA 精製→ DNA検出(PCR,電気泳動)→塩基配列解読(シークエンス)→生物種特定( BLAST 解析)を行うことで特定を試みた。
壱岐西部海域では集魚灯点灯中に動物プランクトン量の変化に明確な増減傾向はみられなかったが,ケンサキイカ211個体を採集できた。胃内容物は消化が進んでおり,目視で特定はできなかった。DNA解析によると13個体のケンサキイカの胃内容物からは、カタクチイワシ、マハタ、スルメイカなどが特定された。一方,以西底曳網漁業で採集したケンサキイカ4個体の胃内容物からはケンサキイカ、ホソトビウオ、カイワリなどが特定された。
これより、人工光周囲でみられた動物プランクトン群集の消長とケンサキイカの胃内容物には明確な関連が認められなかった。しかし,特定された餌生物はプランクトン食性あるいはプランクトン食性の成長段階にあった生物種と考えられたため,ケンサキイカは光に蝟集した動物プランクトンを捕食する生物をさらに捕食するといった蝟集機構が推定された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] いか釣り漁業の合理化について―漁業の現場から―2016

    • 著者名/発表者名
      串崎 康文,松下吉樹
    • 雑誌名

      水産工学

      巻: 52 ページ: 227-231

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 小型イカ釣り漁船のエネルギー収支2016

    • 著者名/発表者名
      松下吉樹
    • 雑誌名

      水産工学

      巻: 52 ページ: 189-195

    • 査読あり
  • [学会発表] 漁業技術としての光2016

    • 著者名/発表者名
      松下吉樹
    • 学会等名
      照明学会全国大会光放射応用分科会シンポジウム
    • 発表場所
      日本大学理工学部駿河台キャンパス(東京)
    • 年月日
      2016-08-31 – 2016-08-31
    • 招待講演
  • [学会発表] イカ釣り漁業のエネルギー収支2015

    • 著者名/発表者名
      松下吉樹
    • 学会等名
      平成27年度日本水産工学会春季シンポジウム
    • 発表場所
      長崎大学(長崎市)
    • 年月日
      2015-05-31 – 2015-05-31

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公開日: 2017-01-06  

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