研究課題/領域番号 |
25450293
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研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
森田 健太郎 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 北海道区水産研究所, 主任研究員 (30373468)
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研究分担者 |
坪井 潤一 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 中央水産研究所, 主任研究員 (80524694)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | サケ科魚類 / 個体群動態 |
研究実績の概要 |
サケ科魚類の個体群動態を規定する要因を明らかにするため、長期モニタリングの対象としている4河川においてサケ科魚類の個体群統計データの収集および解析を継続しておこなった。戸切地川(北海道北斗市)では、在来種のイワナと外来種のニジマスおよびブラウントラウトについて2002年から継続して個体数密度および環境パラメータのモニタリングを実施しており、2017年の調査結果と合わせて16年分のデータが蓄積された。3種の個体数変動を規定する要因を明らかにするため、近年開発されたConvergent Cross Mapping法(時系列データから因果関係を解明する統計手法)を用いて解析を行った。その結果、在来種のイワナは、外来種のニジマスやブラウントラウトからの影響を有意に受けるが、逆に、外来種のニジマスやブラウントラウトは在来種のイワナには影響を受けず、非対称の競争関係があることが示唆された。さらに、外来種の個体数変動は、環境要因と相関関係が認められたことから、外来種の個体群動態は環境支配であるのに対し、在来種の個体群動態は外来種との競争支配であると考えられた。これらの成果は、Ecological Indicator誌に論文発表した。また、居麻布川(北海道羅臼町)および富士川支流寒沢川(山梨県甲府市)のモニタリング調査も予定どおり遂行し、それぞれ2002年以降および2005年以降の長期個体群動態のデータが蓄積された。豊平川におけるサケ個体群動態に関する研究についても、野生魚と放流魚の双方を考慮した行列モデルを開発し、保全生態学研究誌に論文発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していたモニタリング調査を全て遂行できた。また、論文発表も順調に進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
得られたデータの分析を行い、それらの成果の学会発表および論文化を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
得られた研究成果を2018年6月に米国ミネソタ州ダルース市において開催される9th International Charr Symposiumで発表するため、その旅費として計上した。
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