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本年度は、第９回国際イワナ属魚類シンポジウムに参加して研究成果を発表するために、補助事業期間を１年延長した。本シンポジウムにおいて、補助事業課題として実施した研究成果「Ongoing localized extinctions of stream-dwelling white-spotted charr populations in small dammed-off habitats」について口頭発表を行った。この研究成果は、2014年度に実施した調査結果をまとめたもので、1999年にイワナの生息調査を実施した北海道南部の30河川に設置された砂防堰堤上流において2014年に再調査を行った結果を分析したものである。その結果、河川規模が小さな3河川でイワナの絶滅が確認され、15年間で約１割の河川で絶滅が生じたことが確認され、環境収容力の大きさが個体数変動を左右する要因であることが明らかとなった。また、イワナの生息密度が最も低い河川では、外来種のニジマスが高密度で生息しており、種間競争が個体数変動に影響を及ぼすことも示唆された。一方、田沢川（江差町）の砂防堰堤上流域では、1999年の調査ではサケ科魚類は皆無であったが、その後に魚道が設置され、2014年の時点ではイワナおよびヤマメが高い密度で確認され、個体群の連結性が個体数変動を左右することも確認された。本研究成果を論文としてとりまとめ、Hydrobiologia誌において発表した。
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