研究課題
基盤研究(C)
1)研究代表者が二枚貝ムラサキイガイから新規一次構造を発見したMytiLecレクチンを、学内共同研究を通じて遺伝子を大腸菌に組み込み、rMytiLecの発現に成功した。その立体構造、a-ガラクトースへの選択的結合性、糖鎖結合に必須のアミノ酸配列の特定、非共有結合した2量体構造が解明された。本結果はレクチンの構造機能相関、糖鎖パートナーの解析に有益な情報を得た。2)微細気泡発生装置を用いる新たな微生物培養法を確立でき、上記の組み換え大腸菌を安価で大量に培養する方法を得た。3)研究代表者が棘皮動物卵から世界で最初に一次構造を決定したガラクトース結合性SUEL/RBLレクチンファミリーに属す魚卵レクチンの糖鎖結合プロファイル解析を行い、同ファミリー内に、a-アノマー特異的に結合するレクチン、a-およびb-アノマーの両方を認識するレクチンが共存することを明らかにでき、これらが培養細胞に対し影響が異なる理由の解釈に、レクチンの結合特異性とパートナーの違いが関与する有益な示唆が得られた。4)シアル酸結合性レクチンSBL/RNaseの結合パートナーを解析し、シアル酸含有ムチン糖タンパク質および細胞表面上の熱ショックタンパク質HSC/HSP70との結合を見出せ、レクチンの結合パートナーに対する多様性が証明できた。
1: 当初の計画以上に進展している
MytiLec遺伝子を組み込んだ大腸菌作出が成功し、糖鎖結合に必須なアミノ酸の特定、2量体構造、3D構造を決定でき、a-ガラクトース結合性が構造生物学的に証明できた。本レクチンのパートナーとなるGb3糖鎖を分子生物学的にノックアウトまたは移植した培養細胞の作出に成功し次年度以降の研究進展が保障された。著書を含む11報の学術論文を発表できた。
1)組み換えMytiLecレクチンのa-ガラクトシド依存的な細胞死活性の詳細を明らかにし、細胞膜上の糖鎖と結合後、細胞内のオルガネラへの取り込みと、細胞死活性との相関を研究する。2)糖鎖工学的に細胞表面からa-ガラクトシド糖鎖を除去および未発現細胞に糖鎖発現させた細胞を用いて、レクチンによる細胞死効果の変化を研究する。レクチン‐糖鎖を介す細胞増殖制御が、パートナー糖鎖の構造のみが重要か、さらに他の要素も必須かを解析し、海洋生物由来生化学資源の生命科学研究への有益性を明らかにする。
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