養殖魚の魚病対策としてワクチンの投与が行われている。ワクチンの作用基盤は獲得免疫だが、ワクチン投与部位である腹腔でどのように獲得免疫が活性化されるかはわかっていない。 本研究ではまずトラフグ腹腔内の白血球組成を調べた。その結果、抗体産生細胞であるB細胞が最大であり、ついでマクロファージであった。次に、抗原を投与したところ、マクロファージだけではなく、B細胞も取り込むことが示された。さらに、腹腔内のマクロファージが産生する細胞誘引因子によりB細胞が腹腔内に誘引、蓄積することが示された。このように、魚類の腹腔における獲得免疫の活性化にはB細胞とマクロファージの連携が大切であることが示唆された。
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