本研究は既存の農業経済学および農村開発論を基礎に、国際貿易論、新制度派経済学および組織論による分析を援用し、日本と中国を対象にグローバリゼーション下の国際フードシステムを転換するダイナミズムに関する実証分析を行った。経済発展に伴い食料消費の量的・質的水準の上昇や食品安全性に対する要求水準への対応が、地域フードシステムの持続性を規定する要因であることを明らかにし、都市経済の発展に応じた経済性、社会性、環境保全の実現の重要性、食料安全保障の実現に向けてのクラスター形成の政策課題としての企業戦略、イノベーション、人的資源の開発と管理、国際的事業連携などが重要であることを明らかにした。
|