研究課題/領域番号 |
25450325
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
胡 柏 愛媛大学, 農学部, 教授 (80248624)
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研究分担者 |
松岡 淳 愛媛大学, 農学部, 准教授 (90229435)
板橋 衛 愛媛大学, 農学部, 准教授 (90289645)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 環境保全型農業 / 有機農業 / 環境 / 柑橘農業 / 柑橘 / みかん / みかん作業 |
研究概要 |
平成25年度に実施した主な研究内容は、次の4つである。①関連学会や研究会に出席し、環境保全型農業、有機農業、柑橘作経営等に関する最新の研究動向の把握と関連分野の文献収集を行ったこと、②有機柑橘作の技術(農法)と経営実態調査、③高水準の減農薬減化学肥料栽培、有機栽培を実施している大規模柑橘作法人・会社経営、グループ的取組の実態調査、④調査対象農家の販売先に対する販路追跡調査である。 有機栽培農家の技術と経営実態調査は、熊本県宇城市の新規調査対象のほか、2012年までに調査した愛媛県(八幡浜市、愛南町、松山市)、和歌山県(有田川町)、佐賀県(鹿島市)の大規模法人経営、グループ的取組に対する追跡調査を行った。研究の継続性を確保するため、2012年までの調査と同様の指標を採用した。有機柑橘の価格水準の把握により多くの工夫を施したのが特徴である。大規模法人経営、グループ的取組に対する実態調査は、取組の形成・成立条件に力点を置き、組織的、地域的取組の実態、化学農薬・化学肥料に代わる代替農法の構成および経営・環境効果、販路形成・市場開拓の実態と今後動向、組織的・地域的取組に到達するまでのプロセスや継続していくための条件等についての実態把握を行った。調査対象農家の販売先に関する実態調査では、3つの業者に対して、有機農産物の流通経路の形成、価格水準を把握し、流通マージンの推定を行った。 平成25年度は本研究の初年度にあたり、多くの研究項目が進行中であるが、データファイル、学術論文、著書、講演等に取りまとめた成果もあった。本格的な研究成果の公表はこれからである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」の項で述べた①~③項までの内容は、「平成25年度の研究実施計画」に挙げていた項目であり、おおむね計画通りに遂行した。有機柑橘の価格水準ファイルの作成や、④点目に挙げた調査対象農家の販売先に対する実態調査は研究実施計画になかった内容で、本研究の成果をさらに豊かにする調査項目となる。 「平成25年度の研究実施計画」において調査結果をジャンル別に逐次整理し、データ情報化を挙げていたが、多くの項目は調査進行中のため、ベータベース化の段階に至っていない。 研究成果の公表もこれからである。
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今後の研究の推進方策 |
(1)1年目同様の実態調査を継続し、2012年までの実態調査結果と合わせて60件以上の経営実態調査を完遂する。 (2)以下の点を中心に高水準の環境保全型農業を実施している大規模柑橘作法人・会社経営、グループ的取組の解明を行う。①取組の形成要因と継続条件の解明と、②通常の家族経営、家族中心の大規模法人・会社経営、組合法人等地域的取組の比較分析、③取組における学習の経済効果、規模の経済効果、組織の効率性等に関する検討 (3)環境保全型農業、有機農業、柑橘作経営等に関する文献・資料を継続的に収集、整理し、最新の研究動向を追跡し把握する。 (4)調査結果を逐次整理し、データ情報化を行うとともに、研究成果の公表や社会還元を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
3月に予定していた調査出張計画が調査対象農家の都合により変更したため、48,210円の残額が発生した。 前年度3月に実施できなかった農家調査は、今年度中に実施する。
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