研究課題/領域番号 |
25450335
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
鈴村 源太郎 東京農業大学, 国際食料情報学部, 准教授 (90356311)
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研究分担者 |
内山 智裕 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (80378322)
森 佳子 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (40346375)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 認定農業者 / 人材育成 / 経営支援策 / 経営者能力 / 農業金融 / 貸出技術 / カナダ / オンタリオ州 |
研究概要 |
平成25年度の研究実績は,次の通りである。 まず,国内の認定農業者を対象とした経営改善意欲を高めるための段階的支援策の検討については,2012年1月に実施したアンケート調査の分析を行い,2014年7月に刊行予定の著書『農業経営学の現代的眺望』の第9章「認定農業者の経営管理に関する現状分析と課題」にその成果を執筆したところである。また,経営者能力に応じた必要支援策の変化に関する統計解析は,別途日本農業経営学会の投稿論文としてとりまとめているところである。さらに認定農業者になる以前の新規就農段階における支援策のあり方を探るため,全国農業会議所と共同でアンケート調査を実施しているところであり,調査票の集計を現在鋭意行っている。 また,国内の高度な経営を対象とした金融支援の確立に関する課題については,農協以外の民間金融機関による,企業的農業経営に対する多様な貸出手法を理論的に整理し,その成果を『月刊金融ジャーナル』2014年1月号に執筆したところである.また,これらの成果を「農業金融における貸出手法と企業的経営の会計情報の整備・支援」として著書の分担執筆として論文にとりまとめている. 一方,日本とカナダを対象とした比較研究については,カナダ・オンタリオ州を中心に,農業改善支援プログラムの比較分析を実施し,同プログラムの制度設計についての論文を公刊した。また,2013年より新規プログラム(Growing Forward 2)が開始されていることから,その内容・実績などを確認するとともに,以前のプログラム(Growing Forward)との差異についても分析を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
経営改善意欲を高めるための段階的支援策の構築に関する課題については,初年度に予定していた新規就農者向けのアンケート調査の実施を済ませており,26年度にこれらデータの分析に取りかかれる状況となっている。 また,高度経営に対する金融支援の構築に関する課題については,企業的農業経営を対象とした民間金融機関との資金取引に関するアンケート調査を予定しており,25年度は調査票の作成・印刷を済ませ,配布準備が完了したところである。調査結果の学会・論文発表も計画していたが、その部分には及んでいない。また,企業的農業経営に対するヒアリング調査は計画通り実施済みである。 日本とカナダの比較研究については,現地との情報交換および新たな施策の制度設計の分析を進めており,ほぼ計画通りの進捗となっている。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は,段階的支援策の構築に関する課題については,既に実施している新規就農者向けアンケート調査の分析を進め,2012年1月に前の科研費課題(萌芽的研究)で実施した認定農業者アンケートとの結果の異同について分析を進めることを予定している。 高度経営に対する金融支援のあり方については,企業的農業経営を対象とした民間金融機関との資金取引に関するアンケート調査を速やかに実施し,その結果を学会・論文等で発表することを予定している。また,引き続き企業的農業経営に対する民間金融機関との資金取引に関するヒアリングを行うと同時に,民間金融機関へのヒアリングも行う。 日本とカナダの比較研究については,カナダにおける現地訪問調査を実施し,農業経営支援プログラムの枠組み・有効性および民間コンサルタント等による経営支援の実態について調査分析を行うことを予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
段階的支援策の構築に関する課題については,初年度に予定していた新規就農者向けのアンケート調査が3月実施となったため、資材費等に余裕を持って調査実施を迎える必要から5万円程度の残額を生じた。 また,高度経営に対する金融支援の構築に関する課題については,民間金融機関との資金取引に関するアンケート調査を実施するところまでを予定していたが,25年度は調査票の作成・印刷に留まったため、30万円強の残額を生じた。 平成26年度は、上記2件のアンケート調査の実施、集計、分析を行うため、次年度使用額はそれに必要な資金として残しておいたものである。これら残額については今後有効に活用していく。
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