研究課題/領域番号 |
25450336
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
市田 知子 明治大学, 農学部, 教授 (00356304)
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研究分担者 |
石井 圭一 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20356322)
西澤 栄一郎 法政大学, 経済学部, 教授 (30328900)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | バイオマス / ドイツ / デンマーク / 固定価格買取制度 / バイオガスプラント |
研究実績の概要 |
27年度は、前年度、前々年度の研究のとりまとめと、学会報告の準備を行った。ドイツ、デンマークにおいて、バイオガスプラントの建設が進み、バイオガスが広く使われるようになった共通要因としては、畜産経営の糞尿処理問題がある。しかし、再生可能エネルギーに関する政策の違いから、異なる展開を遂げている。 ドイツの場合は、固定価格買取制度を基本とするEEGによってバイオガスプラントが急激に増え、同時にトウモロコシの作付が環境面で問題を引き起こすまでになった。その燃料効率のよさから、原料がトウモロコシに偏ってしまったのである。現在、その反省から、EEGの改訂によって、バイオガス生成のためのトウモロコシ使用割合を60%以下に制限したり(2012年)、さらに買取対象を発電量の50%に留めたりするなど(2014年)、バイオガスプラントの増加に歯止めをかけている状況にある。一方、デンマークでは、1990年当初より、飼料用トウモロコシに偏ることなく、食品産業の廃棄物など多様な原料を利用している。これには、同国の畜産経営が北部ドイツ以上に集約化し、糞尿処理が経営の存続を左右するほど深刻であったことが関係しているだろう。現地調査では、隣国のドイツの「轍を踏みたくない」という意向も働いているという声も聞かれた。 ドイツでも、農場内の養豚、養鶏の糞尿とともに、実験的ではあるが廃棄されたテンサイを利用している事例が見られた。食肉処理場の廃棄物を利用する動きも見られる。今後、2014EEGに対して現場がどのように対応するのか、注視していく必要がある。
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