研究課題/領域番号 |
25450342
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
西山 未真 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (70323392)
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研究分担者 |
佐藤 亮子 愛媛大学, 地域創成研究センタ-, 准教授 (50554341)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ソーシャルビジネス / 農村と都市間での価値の共有 / フードシチズン / 農山村再生 |
研究実績の概要 |
ソーシャルビジネスは、社会的価値を商品やサービスとして販売し、購入者はその価値を理解して購入する。そうして販売者と購入者間で価値が共有される。本研究では、ソーシャルビジネスの、価値を共有する機能に着目し、それを農村と都市間に活用して農村の問題解決と活性化の手段とする。 そのため、農村において共有すべき価値の抽出を行い、都市においては農村へのニーズの把握を行う。そして、農村と都市で共有可能な価値を見出し価値を共有する仕組みをソーシャルビジネスモデルとして提案する。さらに、ビジネスモデルはワークショップによる検討を経て現実性を高め実用的な成果を得ることを目的とする。 平成26年度までの成果は,以下の通りである。 研究を行った内容は,大きく3点に整理できる。1点目は,消費者側の調査である。価値の需要数側の消費者の食生活やライフスタイルを問い、一般消費者とソーシャルビジネスを利用している消費者との比較により、消費者の意識と生活実態の評価を行った。2点目は、ソーシャルビジネスと考えられる事例調査を行った。高知県四万十町の四万十ドラマとおかみさん市、兵庫県豊岡市JAたじまを対象とした。3点目は,海外調査を行った。台湾大学と連携している都市近郊地域茶産地の再生を目指したソーシャルビジネスの取り組みの調査を実施した。 以上より、ソーシャルビジネスによる農村側の価値の発信の実態、消費者側のニーズと生活と意識の実態が明らかになった。明らかになった内容については、昨年度は2本の学会報告と,2本の学会誌論文にまとめ公表している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画では、アンケート調査を26年度に実施し、定量調査する予定をしていたが、課題接近するために最適なアンケート方法を確定するのに時間がかかり、26年度の実施を見送った。
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今後の研究の推進方策 |
アンケート調査の実施と集計は,調査会社に依頼することとした。そのことによって、統計的に信頼度が高まり,研究も迅速に進めることが期待できる。農村に対する意識の個人差を取り払うために、農村の在住経験が3世代以上ない都市居住者世帯を抽出し、農村の価値の評価等を探り、受容する側の消費者ニーズの可能性を引き続き明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していたアンケート調査が実施できなかったため。研究のテーマ上必要と思われるデータを獲得するための手法の選択に時間がかかったため。結局、調査会社を介して,データの収集に当たることとした。そのためには、予定していた調査費よりも多く費用がかかるため、次の年度に繰り越し、次年度予算と一括して支出する方法が最適と考えたため。
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次年度使用額の使用計画 |
当該年度に実施できなかった消費者を対象としたアンケート調査を、調査会社を介して次年度に実施する。 対象とする消費者のデータの偏りをなくし、より普遍的なデータを収集できるように,この方法が最適と考えた。
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