本研究では,土壌中に人工的に設けた粗粒領域で塩害発生農地の修復と持続的利用を両立させる農地管理法の開発を試みた.部分的な粗粒領域を鉛直排水トンネル(DT),粗粒層をキャピラリーバリア層(CB層)とし,それらの単独使用,併設使用による除塩と防塩効果を評価した.その結果,①高透水性土壌においてCBの使用はリーチングに影響を及ぼさず,表層の保水力強化と下層からの毛管上昇阻害に効果がある,②低透水性土壌においては,CBで降下浸透水を捕捉しDTに誘導することで効率的な排水が可能となる.③DTとCBの併設使用は下層からの毛管上昇をほぼ完全に遮断できることが明らかとなった.
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