研究課題/領域番号 |
25450362
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
西山 竜朗 愛媛大学, 農学部, 准教授 (30294440)
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研究分担者 |
小林 範之 愛媛大学, 農学部, 教授 (00314972)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ダム / 施設 / 地盤 / 強さ / 亀裂 / 地震 / 診断 / 有限要素法 |
研究実績の概要 |
1. 損傷を亀裂の発生・進展として扱う構造物・地盤の有限要素応力解析:前年度までに石膏模型の直接せん断の再現がある程度実現されたため、本年度においてはせん断面形成機構の解釈の整理に着手することとし、前年度までの計算結果をより詳細に整理し、吟味した。現時点までに、ここで解析対象としている石膏材料については、最終的に形成される巨視的せん断面に対して斜交に現れる局所的な亀裂の出現によって支持力が失われるケースが多く、そのような亀裂が複数、並行して現れた後は、亀裂間の未破壊部に一軸圧縮に近い状態が現れることが分かった。本課題の目的の一つである岩盤強度評価への貢献のためには、上記の亀裂出現時点における支持力低下機構の整理、解明に努めたい。 2. 地震および材料劣化を想定した構造物の挙動解析:国内の農業用ダム7基を対象として、上下流方向断面に対する地震時挙動解析を行った。本年度においては、有限要素法による固有値解析をはじめとする弾性解析によって、堤体の基本的特性に対する検討を行った上で、地震動を受けた際のひび割れ解析の試行計算を行った。次年度以降も継続して実施していく予定である。 3. 構造物・地盤の直接せん断を想定した模型実験:不連続面を有するコンクリート円柱供試体に対する三軸圧縮試験を実施し、測定強度を解析した。その結果、主応力軸と弱面のなす角によって、弱面に沿うすべりが卓越して現れるケースと材料破壊が卓越して現れるケースがあり、弱面を有する場合の強度が理論通りに解析されるとは限らないことが分かった。 4. 地震動および経年劣化による材料特性の変化を評価するための試験:新たに、ため池堤体遮水材料の入手が叶ったため、改めて土の三軸試験機を整備した上で、その材料に対して三軸圧縮試験を中心とする各種材料試験を試行した。次年度以降も検討を継続していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定より若干遅れている部分もある一方で、機会に恵まれて当初予定に追加できた部分もあるため、全体的に、概ね予定通りの進捗状況であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
上記の通り、特に実験実施の面で追加できた部分もあるが、当初計画からの大きな乱れは現時点では想定されないため、次年度も概ね当初計画に従って研究を進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
27年度に購入予定だった物品の納品が、当初の予定より遅れが生じたため、次年度に購入することにした。
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次年度使用額の使用計画 |
前年度に購入を予定した物品を購入する。
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