研究課題
最終年度である本年度においては、これまでならびに本年度に得られた成果について、随時成果発表を進めた。その内容はいずれもダム堤体の力学的な安全性に関する成果としてまとめ、各々土の残留強さ、堤体内の異種材料構造、ならびに堤体継目構造に注目した内容とした。上記最後の内容に関しては、本研究計画のうちで根幹の課題としてきた「損傷を亀裂の発生・進展として扱う構造物・地盤の有限要素解析」の一環として、新たに以下のような検討を進めた。すなわち、すでに前年度までに進めてきた直接せん断の解析に対してより深い解釈を得、またさらに類似する問題一般への新たな展開を準備することを目的として、より直接せん断そのものの基本に立ち返った解析を追加して行った。その結果、変位および応力の分布に現れた特徴から、直接せん断のメカニズムに対する知見が得られた。本研究計画を通して、第一に、農業用ダムにおける課題解決を背景として、亀裂に注目した有限要素解析を自身で過去に行った石膏模型実験、ならびに他の研究者による既往研究における模型実験をモデルとして実施し、そこから得られた直接せん断のメカニズムに対する解釈が成果として得られた。また、ダム堤体の地震時挙動の解明を目的とする解析を進め、関連する知見を得るに至った。第二に、三軸試験を中心とする実験的検討から、特にコンクリート構造内の接合面の強さに関する成果が得られた。また、期間を通して検討し開発された解析手法ならびに計算プログラムは、本研究計画の成果として、すでに次なる段階の研究において応用を進めている。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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