研究課題/領域番号 |
25450363
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
久米 崇 愛媛大学, 農学部, 准教授 (80390714)
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研究分担者 |
治多 伸介 愛媛大学, 農学部, 教授 (60218659)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 塩性化 / 農業排水 / 安定同位体 / 灌漑 / 営農管理 |
研究実績の概要 |
研究2年目の平成26年度には、研究対象地域であるトルコ共和国アダナ県を訪問し、現地カウンターパートとの研究打合せおよび現地調査を実施した。これまでの現地調査の結果から、調査地の灌漑排水網に変化があったことから、定点観測が難しくなったことにより、今年度の水サンプリングは主要ポイントのみとなった。 これらの事情を鑑みて、今年度は水試料のサンプリングではなく、土壌試料のサンプリングに重点をおき、現地調査を行った。今年度調査では、灌漑マップおよび土壌図をもとに、研究計画書に記載した、一次塩性化と二次塩性化の混合域における土壌サンプリングを実施した。ここでは、特に営農管理の影響がどのように土壌塩分の組成に影響を与えるかという点について着目し、農地と裸地において土壌サンプリングを実施した。現在、土壌の物理性および化学性について分析している途中であるが、物理性については農地に比べて裸地は土壌が締め固まっており、団粒化が進んでいる状態であった。また、化学性については、農地に比べて裸地の塩分濃度が高い傾向が出ており、営農の影響があることがうかがえた。 以上の点から、水および土壌のサンプルを元に分析を進め、混合域における一次塩性化と二次塩性化の原因とそれらのプロセスの解明を進めていくための基礎的なデータを得ることができた。これらの結果をもとに、平成27年度には、塩性化プロセスの明確化と営農管理などが塩性化に与える主要因を解析していくことができるようになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、リソースの都合上、安定同位体の分析を十分に進めることができなかった。特に、カルシウムやカリウム等の同位体分析については、若干の技術的な問題があり、十分に進まなかった。放射性同位体を用いた水文トレーサーの測定は、昨年度と同様に研究協力者が海外に留学しており、分析ができていない。元素濃度の分析については、問題なく進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今年は、現地調査の費用・時間を大幅に削減し、安定同位体分析に注力することで若干の遅れを取り戻す予定である。放射性同位体分析は断念することになるかもしれないが、代替トレーサーで工夫し解析を進められるよう文献レビューを進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
放射性同位体分析に利用する予定であったが、分析ができなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
同位体分析に注力するため、そのための消耗品と分析費用に利用する。
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