研究課題/領域番号 |
25450366
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 石川県立大学 |
研究代表者 |
高瀬 恵次 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (90133165)
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研究分担者 |
小倉 晃 石川県農林総合研究センター(林業試験場), その他部局等, 研究員 (50522611)
瀧本 裕士 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (60271467)
早瀬 吉雄 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (70027275)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 濃度(水質) / 負荷量(水質) / 全窒素 / 全リン / 森林理水試験地 |
研究概要 |
計画初年度の平成25年には、まず、石川県林業試験場内森林理水試験地の流量観測点に河川水採水装置を新設した。計画当初は定圧弁と電磁弁を用いた装置を計画していたが、現地において必要な水頭差を確保できなかったため、採水には電動ポンプを用いて作動時間をコントロールすることとした。8月上旬にシステムを現地に設置し、下旬から採水・調査を開始した。無降雨期には2~3週間毎に、大きな降雨では降雨終了後に採水を行い、タンクに貯水された水量を計測するとともに、採水試料は研究室に持ち帰り、全窒素、全リン濃度を分析した。その結果は、以下のとおりである。 1)河川流出量の1/20,000を取水するとした本システムは設計通り稼動し、どの期間においても正確な採水量を得ることができた。 2)各期間に貯水された水の全窒素濃度、リン濃度は夏から冬にかけて減少し、これはそれぞれの期間の平均流出量と類似した変化を示した。 3)8月下旬から12月下旬までの総負荷量は、全窒素で5.6kg/ha、全リンで0.19kg/haとなった。 以上の結果を総合して、本システムによる計測によって流域からの水質総負荷量をかなりの精度で把握することが可能になったと判断できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
採水システムは順調に設置され、採水精度は高い。一方、水質濃度分析も自動水質分析装置を用いて進めており、各採水期間の負荷量および期間全体の総負荷量計算値も、ほぼ妥当な値を示していると考えられる。ただ、北陸地方では冬季に落雷が多く、停電による欠測が多いのが問題である。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、採水システムの構築と検証に重点をおいて研究を進めたので、平成26年度は、LQ式など従来型の負荷量算定値との比較、流出モデルの構築、および積雪・融雪期の水質挙動解析の基礎データ収集を中心に調査・研究を展開する。 併せて、落雷による停電やシステムの故障などの技術的課題については、計測器メーカと共同して解決を図る。
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次年度の研究費の使用計画 |
システムのうち、採水部分については当初、低圧弁の利用を計画していたが、水頭差不足のため簡易型電動ポンプに変更したため、設置費等が減額となったこと、および、水質分析のための薬品に前年度からの在庫があり購入費が減額となったことなどによる。 落雷等による電磁弁の故障、およびその他計測システムの保守・点検に要する経費や冬季における積雪・融雪時の重点的調査経費などに補填する計画である。
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