本研究の目的は,樹木と大気の熱交換メカニズムを定量的に示し,葉のスケールや三次元構造の影響について,緑地を都市の微気象制御に応用するための基礎的知見を得ることである。顕熱伝達の特性は,植物の葉の熱伝達係数の影響が大きいため,樹木全体の熱交換を推定するため,個葉の測定を行った。熱画像データから得られた,地表面と樹冠の昼夜の表面温度差分布から,樹木は昼に低温を示し,夜高温を示す。この現象は,樹木の熱伝達係数が高いことが原因である可能性が高いため,シミュレーションモデルにより,その現象を再現した。本研究の結果は,樹木と大気との熱交換の特性解明や,温熱環境予測にも使用できると考えられる。
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