クロストリディウム属細菌を用いて麦ワラから水素生産を行う際に促進剤役としてのデンプン添加が水素生産性に与える影響について調べた。検討したクロストリディウム属細菌3株では、麦ワラにデンプンを添加することで、麦ワラ由来の水素はデンプン非添加に比して最大4倍の水素が生産され、デンプン添加により相乗的に水素生産性が増大することを示した。 Clostridium cellulovoransでは、デンプン添加により総アミラーゼ、総セルラーゼの活性は最大19.2倍まで増大するが麦ワラ中のホロセルロース消費量は増大せず、むしろ資化した糖の細胞内代謝が変化し、水素生産性が著しく増大していることが考えられた。
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