本研究では,四国地域を対象にGPS可降水量と気象データを用いることにより降霜を予測するシステムが構築された.まず,茶を対象に,茶葉の氷核形成温度と葉の表面温度の関係が調べられ,氷核形成温度の季節変化が簡易式により簡単に表現された.次に,夜間の気温低下を表現するためにニュートンの冷却の法則が数学的に応用された.さらに,早朝の地上気温の理論値は半経験・理論的に手法により解析され,同気温と植生面温度の関係が調べられるとともに,降霜や霜による作物被害を予測するためのいくつかの基準が提案された.以上の知見を踏まえ,夕方におけるGPSと気温の情報のみから翌朝の霜害危険度を判定するマップが作成された.
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