研究実績の概要 |
本研究では植物工場における作物の状態把握、ストレス状態をモニタリングするために水耕液の経時的分析を行っている。まず水耕液のイオン強度は通常ECで分析されるが、本研究ではCE-C4D(非接触型電気伝導度検出器)を利用して主要無機イオンを簡便に測定する系の確立を行った。昨年度の陽イオン(K,Ca,Mg,Na,アンモニウムの各イオン)に加え、今年度は陰イオン(硝酸、硫酸、リン酸の各イオン)の分析が可能となった。主要無機イオンの組成変化を経時的に分析すると同時に、今後は小型化したマイクロチップ型装置を使って現場分析を検討する。一方、水耕液中の有機成分としては、CE-間接吸光法による有機酸分析において、検出感度の問題、肥料成分に含まれる多量の硝酸イオンによる妨害の問題があったが、吸着剤XADを利用した濃縮により解決を図っている。また、実験室レベルの実験で、強い塩ストレスを負荷した場合に、遊離アミノ酸および安定ラジカル種の量が変化することが確認され、植物工場レベルへの応用が可能か検証する予定である。
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