研究課題/領域番号 |
25450378
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
萩原 昌司 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品工学研究領域, 主任研究員 (00353970)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | BDF / FAME / 無触媒法 / 過熱メタノール蒸気法 / トリグリセリド / 遊離脂肪酸 |
研究実績の概要 |
ベンチスケール実験装置を用い、ナタネ油を原料に過熱水蒸気による油脂分解の可能性を検討した。180 ℃過熱水蒸気処理では、油脂の遊離脂肪酸への改質(酸価上昇)はみられなかった。処理温度をBDF(脂肪酸メチルエステル;FAME)製造と同じ290 ℃としたところ、反応槽内の油脂の酸価は上昇し、反応槽外へ遊離脂肪酸の流出も確認された。 また、過熱メタノール蒸気法で反応速度が異なる脂質を原料にBDF(FAME)を製造する際の変換時の炭酸ガス排出量を消費エネルギーを基に算出した。過熱メタノール蒸気法でナタネ油と同等の製造能力を示すパーム油のベンチスケール反応装置での製造能力は7.3 g/hであった。対して、ジャトロファ油は27 g/hと約3倍の高い製造能力を示した。実証プラントでは、パーム油を原料に425 L/dのBDF製造能力を示したことから、ジャトロファ油を原料にした場合は1572 L/dのBDF製造能力が得られると仮定して炭酸ガス排出量を算出した。その結果、変換部分の炭酸ガス排出量は、過熱メタノール蒸気法では0.36 kg-CO2/kgとなった。アルカリ触媒法では0.96 kg-CO2/kgであることから過熱メタノール蒸気法の有用性が示された。 CFDによる反応槽内の油脂とメタノール蒸気の可視化に関しては、これまでの解析モデルでは計算に約13日掛かっていたところ解析モデルを改良し約36時間で計算できるようになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
分析に使用している機器の部品入手に時間が掛かっている。 酵素の選定や入手に時間が掛かったことから酵素による油脂改質の検討が行えなかった。 海外調査地として最適な施設が見つかっていないため、調整池に浮遊する脂質の分析をできていない。
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今後の研究の推進方策 |
27年度は、油脂の加水分解や酵素処理等による改質性に関し検討する。また、調整池に浮遊する脂質の成分を調べる。 原料油脂の改質および反応槽の改良、操作条件の最適化の影響が反応効率および投入エネルギーに与える影響を明らかにするため、ベンチスケール反応装置(反応槽内滞留量約250 mL)による反応実験を行いBDF 製造時の消費エネルギー(熱量)を計測する。得られる消費エネルギーから、改良後の過熱メタノール蒸気法でのBDF 製造時の消費エネルギーや炭酸ガス排出量を算出しLCA 評価の際の基礎データを導き出す。 以上の検討により、低コストでCO2排出量削減効果の高いBDF変換技術が確立される。
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次年度使用額が生じた理由 |
国内外の共同研究者と学会時等に位置合わせを行い、電子メールを利用して情報交換を行った結果、出張に行くことなく必要な情報が入手できた。また、物品等は入札等により効率的に予算執行を行った結果次年度使用額722,402円が生じたものである。
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次年度使用額の使用計画 |
本研究課題の推進のため、次年度の研究費は交付申請時の計画通りに使用する。なお、次年度使用額722,402円は研究費を効率的に使用して発生した残額であり次年度請求する研究費と併せて研究計画遂行のために使用する。
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