研究課題
過去の2年間は,画像情報をもとに,屋外作業現場での作業者の行動データをリアルタイムに収集する農業ロボットを開発するとともに,開発した農業ロボットを使って,エンドウ豆の特産地で実際に行われている農作業である,水やり作業,種まき作業,収穫作業,の3つ作業行動を画像に基づいて認識できるシステムを開発した.研究最終年度の2015年度は,農業ロボットの自律走行を画像情報に基づいて支援するシステムを開発した.特別なロボット誘導システムを使用することなく,カメラから得られる画像情報のみに基づいて農道や圃場間口を自走できるようにする画像処理システムの開発を行った.開発した画像処理システムは,複数台のカメラを使って撮影した農道や圃場間口の圃場シーンを機械学習させることによって,ロボットの自己位置を認識するシステムである.圃場シーン画像の特徴量抽出には,SURF(Speed-Up Robust Features)法を用い,機械学習アルゴリズムにはRandom Forests法を用いた.圃場シーンを学習させるためには,作業者が学習させたいすべての場所にロボットを移動させながら圃場シーンを撮影する必要がったが,圃場に対する撮影時のカメラの姿勢が大きく変動しなければ,一度走行した圃場シーンを精度良く認識できる結果が得られた.また,農業ロボットが収集した作業者の行動データを活用した作業支援システムの開発も同時に進められ,エンドウ豆栽培における水やりと種まき作業の進捗具合をモニタリングするシステムや,通路内でコンテナを持ち上げて歩く際の作業者の姿勢を自動的に検出するシステムを開発した.本年度得られた成果は,関連学会で発表されるとともに,国際誌に論文として2本投稿中である.研究期間中に国際誌に投稿された論文が1本掲載された.
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (4件)
Engineering in Agriculture, Environment and Food
巻: 9 ページ: 印刷中
10.1016/j.eaef.2016.03.002
農業食料工学会関西支部報
巻: 119号 ページ: 51-54
巻: 120号 ページ: 印刷中