研究概要 |
ワイヤレスマーカとして圃場での使用を考慮し電源不要なパッシブタイプ(ISO/IEC 15693,ISO/IEC18000-3に準拠)のICタグ(RFID)を8種類試作した。外形は全てカード形であった。これらの内分けは,金属非対応(以下,M)と対応(以下,N)の2種類,外形寸法13×30×0.5㎜(以下,a),10×100×0.5㎜(以下,b),43×54×0.5㎜(以下,c),70×90×0.5㎜(以下,d)の4種類であった。さらに,リーダーライター用アンテナを3種類試作した。外形は全て矩形のパネル形であった。ロボットに積載することを想定して外形寸法を325×255×13㎜(以下,L),200×50×10㎜(以下,M),60×65×10mm(以下,s)の3種類とした。試作アンテナをリーダーライター(周波数13.56MHz(HF帯),出力1W)に接続して試作システムとした。 試作システムを使用してRFIDの検出範囲を測定した。この時,RFIDはアンテナと平行な向きとした。座標軸は,アンテナ中心を原点(0),アンテナに垂直な方向をX軸,アンテナの長辺方向をY軸,短辺方向をZ軸とした。 RFIDの検出範囲は,凡そ釣り鐘形となり,X軸方向の検出距離はアンテナの中心付近が最大であった。さらに,今回はアンテナがLと,RFIDがNd(外形70×90×0.5㎜,金属非対応)の組合わせでX軸方向の検出距離410mmと最大であった。金属非対応・対応の比較では,非対応の方が2倍近かった。また,動作が「未検出→検出」と「検出→未検出」とでは,「検出→未検出」の方が,2~10mm長かった。一方で,X方向の最大検出距離は,アンテナLでは,RFID a<b<c<dとなったが,アンテナM,Sでは,逆転することがあった。これは,アンテナの磁束分布とRFIDのコイルとのマッチングによるものと推察された。
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