本研究では,農作業ロボットの安全性向上のためにワイヤレスマーカを利用した障害物や人の判別精度を向上する要素技術を検討した。室内でのパッシブ式マーカの検出距離は0~0.4mで,アクティブ式マーカは,8.6~60.0mであった。さらに,両システムを乗用トラクタに搭載し,圃場内で稲が繁茂している場所と繁茂していない場所での検出距離を測定した。その結果,検出距離はパッシブ式で稲内0.3m,稲外0.3m,アクティブ式で稲内1.3m,稲外1.1mであった。これらより,稲による遮蔽の影響が少ないことが分かった。これまで難しかった作物や雑草中の障害物や人の判別の精度を向上させる技術の可能性が見いだされた。
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