研究課題/領域番号 |
25450391
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
菅原 邦生 宇都宮大学, 農学部, 教授 (50091947)
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研究分担者 |
佐藤 祐介 宇都宮大学, 農学部, 助教 (50589520)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ペプチドダイアリシス / NPY / GLP-1 / 自発的摂食量 / 鶏ヒナ |
研究概要 |
鶏の自発的摂食量変動時に視床下部と脳室の摂食調節ペプチドがどのように変動するかを明らかにするために、脳ペプチドダイアリシス法を用いてNPY(neuropeptide Y)とGLP-1(glucagon like peptide-1)のモニタリングを試みた。透析プローブ(ポアサイズ1000kDa)によるペプチド標品の回収率は室温でリンゲル液を1μL/分で潅流した場合、10%程度であり、既知のものと同等であることを確かめた。18~20日齢の鶏ヒナの頭蓋にガイドカニューレを装着して、視床下部腹内側核と側脳室に透析プローブを挿入後、10または20時間にわたり不断給餌状態で1時間ごとに透析液60μLを回収した。透析液中のNPYとGLP-1濃度を市販酵素免疫定量キットで測定したところ、透析液中の濃度がキットの検出限界(数pmol/L)に近いため、定量性のあるデータをえることができなかった。視床下部室傍核NPY(pg/時間)はRIA法で定量したところ、72時間絶食後の数時間の再給餌では摂食量の変動に伴う変化は認められなかったが、不断給餌状態より高かった。LC/TOF-MS法とRIA法を適用し、低濃度の両ペプチドの定量法の開発に取り組んでいる。3時間毎の摂食量はペプチドダイアリシス条件下でも日内変動し、18-21時で最も多く(9g/羽)、15-18時で最も少ない(4g/羽)ことを確かめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
生体試料(視床下部および脳室から回収した透析液)中の対象物(NPYとGLP-1)の濃度が想定した値より低く、定量性を保証できなかった.現在、質量分析器およびRIAで定量する方法を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
視床下部と脳室を灌流する速度を落とすなどして透析液中のペプチドの濃度を上げることおよび複数の定量法(時間分解蛍光測定法、LC/TOF-MS法とRIA法)を比較し、適切な分析系を確立する。
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次年度の研究費の使用計画 |
視床下部および側脳室透析液中のペププチド濃度が予測したものより低く、定量性のあるデータを得られず、定量法の再検討に時間を費やし、ニワトリヒナを使用した実験を予定通り実施できなかったため、関連する経費が余った。 低濃度(pmol/L)のペプチドを精度よく測定できる系を確立するためにLC-TOFMSおよび時間分解蛍光法の測定条件の検討に充て、できるだけ早く鶏ヒナを用いた実験をできるようにする。
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