研究課題
実験2の継続内容鞭毛超活性化運動(ハイパーアクチベーション)の発生を制御し,精子の正常な受精の完遂に必要なCalyculin A感受性セリン・スレオニンタンパク質ホスファターゼ(PP1gamma以外のアイソフォーム)の遺伝子発現をウシ精巣組織抽出液由来のmRNAを用いたRT-PCR法により解析した。その結果,PP1alpha,PP1beta,PP2AalphaおよびPP2Abetaの遺伝子発現が認められた。またウシ新鮮射出精子でのタンパク質レベルでの検出(ウェスタンブロット法および間接蛍光抗体法)では,PP1alphaが先体辺縁部および頸部において明瞭に検出され,さらに一部の精子では後先体部にも観察された。しかしながら,これらのタンパク質ホスファターゼアイソフォームにおいて欠陥型分子の派生を見出すことはできなかった。実験3の継続内容本研究において作製したポリクロナール抗体を用いたウシ精子欠陥型ADCY10の免疫学的検出法の開発を試みたが,この抗体の十分な反応特異性を得るだけの検出条件を見出すことができず,この方法の開発を中断した。代替法としてADCY10の強力な活性化分子である炭酸水素イオンのウシ新鮮射出精子の運動性(前進運動率,運動速度および運動軌跡)に及ぼす影響を評価することで,精子のADCY10の機能的な正常性を判定する方法を考案し,判定に適した処理条件(炭酸水素ナトリウムの添加濃度)を明らかにした。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)
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