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2013 年度 実施状況報告書

卵胞発育および閉鎖過程におけるCNPシグナルの役割

研究課題

研究課題/領域番号 25450395
研究種目

基盤研究(C)

研究機関岡山大学

研究代表者

辻 岳人  岡山大学, その他の研究科, 准教授 (90314682)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードNPR3 / CNP / 卵胞
研究概要

ナトリウム利尿ペプチドファミリーの1つとして知られるC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)は、受容体であるNPR2に結合し、cGMPを介して特定の細胞に作用する局所因子である。また、CNPの作用調節にはデコイレセプター(NPR3)が知られている。近年、CNP/NPR2が卵胞発育において重要であることが明らかにされつつあるが、NPR3との関連性は不明である。本研究では、卵巣におけるNPR3の重要性を明確にすることを試みた。
1.卵巣におけるNpr3遺伝子発現パターンの解析:卵巣におけるNpr3遺伝子は、1次卵胞から胞状卵胞のすべての卵胞の顆粒層細胞で特異的に発現していた。一方、卵母細胞では発現が認められなかった。また、PMSG投与48時間後においては、排卵前卵胞においてNpr3遺伝子の発現は減少するとともに卵丘細胞周囲に限局していた。
2.Npr3遺伝子変異マウスの卵巣の解析:さらに卵胞におけるNPR3の役割を明らかにするためにNPR3が突然変異により機能欠損することで、CNP効果の増強が予想される突然変異(LGJ)マウスの卵巣について卵胞数を解析した。その結果、すべてのステージの卵胞数について正常マウスと有意な差は認められなかった。
以上の結果より、Npr3遺伝子はNpr2遺伝子の発現パターンと類似しており、CNP/NPR2機能の制御にNPR3が関与することが予想された。しかしながら、Npr3遺伝子変異をもつマウスでは卵胞発育に異常がなかったことから、卵巣における役割を明らかにすることができなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の年度計画の実施順序とは異なったが、1年間の実施内容を概ね実施した。

今後の研究の推進方策

。マウス培養卵胞を用いて、CNPの卵胞発育および顆粒層細胞の細胞死への関与を明らかにし、それらの過程に関与する因子について解析をすすめる。具体的には、以下の内容を予定している。
1.CNPによる卵胞発育への効果を明らかにするため、CNP添加による卵胞サイズへの影響を明らかにする。また、胞状卵胞より単離し培養した顆粒膜細胞にCNPを添加し、増殖活性の変化について解析する。
2.CNPによる卵-顆粒膜細胞間の相互作用に関与する遺伝子発現への影響を明らかにするために、CNPを添加し、卵-顆粒膜細胞間の相互作用により卵胞発育を促進することが知られている各遺伝子について発現量の変化を解析する。
3.CNPによる顆粒膜細胞のアポトーシス抑制効果を明らかにするために、後期前胞状卵胞および初期胞状卵胞を無血清培地にて培養をおこない、この培養条件で誘導される顆粒膜細胞のアポトーシスに対して、CNPよるアポトーシス頻度の変化を解析する。
4.卵母細胞および顆粒膜細胞においてCNPにより発現誘導・抑制される遺伝子を明らかにするために、CNP添加により発現量の変化した遺伝子を網羅的に解析する。

次年度の研究費の使用計画

初年度計画していた内容は平成26年度に実施することに変更したため、それらに関わる物品費が使用されずに翌年度以降に使用することとなった。
繰り越されるすべての額は、平成26年度の物品費に追加して使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 卵母細胞の減数分裂制御機構におけるC型ナトリウム利尿ペプチドの役割2013

    • 著者名/発表者名
      辻 岳人・清須千代・秋山耕
    • 学会等名
      第106回 日本繁殖生物学会大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20130912-20130914

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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